備忘録

哲学、文学、その他雑記。学習用。

失敗をバッドエンドにしたくはない

 つまるところ僕は何事もものすごく、それは他人から見たらあからさまといっていいほど、物事を冗長にこなすべきだと思った。コーヒーポットにオレンジペコのティーポッドを一つ。これをいつもなら1歳になる娘にやらせているわけだが。その姿は実に愛らしい。子供の目は常に歓喜に満ちていて、それはつまりこの世界はすばらしいものが一杯あふれていると心から信じており、実際にその瞬間瞬間、娘は愛情のある目配せや人のぬくもりをもらい、自分はというと玩具を触って遊び、それを周りの人に鑑賞してもらい拍手喝采を受けている。しかし今日は娘がいないので、僕はティーポッドをひとつまみ入れるのも娘の速度よりも遅く入れることに成功した。とここにきて僕はすでにミスを犯していることに気づいてしまった。その速度を遅らせたのは僕の娘のことを考える思考の時間であったのだ。思考。ああ。僕の小さな試みはまたしても失敗した。しかしこれをバッドエンドにしたくはない。時間もないから。新たな賽は投げられ続けているのだから。